皆さん、こんにちは!千原です。うちには86才の義母がいます。そして、81歳の実母はひとり暮らしになったので、近くに呼び寄せました。こうやって親と同居したり、面倒をみたりすることは、子として当たり前のことと思っていましたが、考え方が「昭和」なのでしょうか。世間では、ひとり暮らしの高齢者が増えているようです。

さて、今回は「おひとり様」について、内閣府発表の白書の数字から考えてみたいと思います。

今後も「高齢のおひとり様」は増えていく

内閣府の発表している「高齢社会白書」によると、65歳以上の者がいる世帯は全世帯の約半数で、夫婦のみ世帯や単独世帯がその60%を占めているそうです。昭和55年には27%でしたので、今はその倍になっています。同じく、子供と同居世帯についても、昭和55年には全体の60%だった割合が、今回の調査では30%まで減少しています。高齢化が進むにつれ、昭和と令和で割合が逆転してしまったようです。

お子様がいない方、配偶者に先立たれて単身になった方、生涯未婚の方など、おひとり様の環境は様々ですが、「男女共同参画白書」からは、「人生100年時代の結婚と家族」の変化が見えてきました。

近年、婚姻件数と離婚件数は一定の割合で推移しているものの、コロナ禍以降、60万件程度だった婚姻件数は、52万件程となり、戦後最も少なくなりました。
そして、この40年間で、男女ともに「未婚」と「離別」の割合が大幅に増加となっています。令和2年の30歳時点の未婚割合は、女性40.5%、男性50.4%で、50歳時点の配偶者がいない人の割合は、男女ともに30%となっています。50~60代の現在独身の人では、女性の約半数が離婚経験あり、男性は半数以上が結婚経験なしという結果となっていて、少し驚いてしまいます。

以上の数字からも、「高齢のおひとり様」は今後も増えていくのではないかと考えられます。

注意したいのは、おひとり様の「遺産」

「おひとり様」の遺産は、遺言を残さなかった場合、法定相続人がいないと、全て国庫に帰属し、国のものになってしまいます。

令和3年度には647億円もの相続財産が国庫行きとなりました。法定相続人がいる場合でも、何もしなければ、見知らぬ親族に遺産が渡ることもありますし、そもそもおひとり様の遺産を把握すること自体難しいです。尚且つ法定相続分で共有となるため、不動産などは、のちのち面倒なことになることでしょう。

対策として、生前に、遺言書を作成し、遺贈先を指定しておかれることを推奨します。
遺言があれば、お世話になった人や団体など、本人が望む形で遺産を分けることができます。その際、遺言の存在を関係者に知らせておくことが重要です。遺言が見つからなければ無いのと同じになってしまいますからね。