皆さん、こんにちは!千原です。

おかげ様でうちの孫は今年5歳になります。最近は、自転車に乗れるようになり、子どもの成長は早いなーと感じている今日この頃です。
ところで、この孫は嫁いだ長女の子なので、名字は「千原」ではありません。11月に長男が結婚したので、そこに子どもが生まれたら「千原」の苗字を名乗ることになります。祖母の本音としては、未来の千原家「墓守」候補誕生に、ちょっぴり期待してしまいます。

さて、今回はそんな「跡継ぎ」を考えるような話です。

「家族(民事)信託」を活用しよう!

旧民法(昭和22年まで)で定められていた「家督相続」とは、家長が死亡または隠居する場合に、すべての財産を長男が相続して「戸主」となり、次にその長男がまたすべての財産を相続して「戸主」に、次もまたその長男が…というように、繰り返して、その家の財産を後世へ引き継がせていくというものでした。

令和になった今も、そんな「家督相続」をしたいとお考えの方が少なからずいらっしゃいます。理由は皆さまそれぞれですが、人生100年時代になったことや、少子化なども起因しているように思います。

誰に何をどのくらい相続させたいかというご希望をかなえるには、遺言が有効な手段です。あわせて、高齢化が進む中、オーナー様から不動産をお預かりしている立場としては、後見契約をお勧めするケースもございます。これは、ご本人が認知症などで判断能力がなくなった時にも契約などが進められるからです。

ただし、この成年後見制度では、財産の運用ができないなど、制度上の制約があります。そこで、それをもカバーできると注目されているのが「家族(民事)信託」なのです。

先述の家督相続や跡取り、墓守などの問題も家族(民事)信託制度を利用して解決することができるかもしれないのです。

たとえば私に先祖代々受け継いだ家があり、それを老後の面倒を見てくれた長女に引き継がせたとしても、長女が亡くなった後には、長男の子供(千原の名字を持つ子)に引き継がせたいとして、遺言書を残しても、自分の相続の次の相続までは効力が及びませんよね。長女がだれに相続させるかは長女の自由となります。

このように、遺言では相続内容を一次までしか指定できませんが、信託契約では、「受益者を先々まで定める」ことができるので、遺言では不可能な二次相続以降にまで、ご本人の意向に添えることが可能になります。

円滑な事業承継、配偶者や障害のある子どもの生活保障には、すでに家族信託が活用されています。また、先祖代々の不動産や資産の承継などは、「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」がとても有効だと思われます。